阪神大震災での橋脚の破損、新幹線トンネル内でのコンクリート版の脱落、高架橋でのコンクリート片の脱落事故等を受け近年、橋脚やトンネルを主としたコンクリート構造物の保守点検、補修業務が増大しております。
 こうした膨大な量の維持管理情報を収集、整理するには多大な時間と手間が掛かり、その情報を長期間保持し、効率的に運用する事は現状では厳しく、まして関係事業所全体で情報の共有化等は極めて困難なのが現状です。

 ICタグは1図に示す様に、丸カセット(管理番号付)に収納されており、これを2図に示す様に橋脚部に取付け運用します。
  送受信機側PDAに別表1の項目、内容を入力し、取付けたICタグに書込みを行い、橋脚部のあらゆる情報管理を実行します。
  ICタグは無電源で作動するため半永久的な使用が可能で、変更情報の書込みも10万回以上行える為、常に最新の情報を保持する事ができます。送受信機のPDAに保存されたデータを管理事務所のPCにダウンロードし、さらに関係する事業体との間でネットワークを構築し、現場の最新維持管理情報を全事業所で共有する事ができます。(4、5図参照)
 ICタグには、橋脚固有の固定項目と、維持管理項目、その詳細内容を長期間保存(半永久的)することができ、また現場で瞬時に一覧で内容を確認したり、変更することも可能です。
 例えば橋脚の形状寸法、目に見えない基礎形状寸法、杭の規模や多様な点検、維持、補修情報等詳細なデータを書込むことができ(表1参照)今後の維持管理業務を画期的に改善できるものと考えます。